色々な人のNURO光のブログや導入工事の写真とかを見てるのだけど、人によってONUの写真が違うっぽいのよね。もしかして契約年数とかプランによって型番が違うとか?
型番が複数あるのは確かだけど、契約年数とは関係ないよ。今日はNURO光のONUについて勉強しよう。
ONUは通信速度を決める重要な機器です。NURO光には9種類のONUがありますが、「機種によって性能が違うのでは?」という懸念はありませんか。
その懸念は的中しており、ONUガチャに外れると他機種よりも通信速度がガクッと落ちます。せっかく回線自体が速くても、ONUが原因で十分な速度を体感出来なければ意味が無いですね。。。
この記事では現役ネットワークエンジニアがONUの種類と具体的なスペック、そしておすすめの機種を紹介します。また、ハズレのONUが設置されてしまった場合の対処方法も紹介します。
この記事を読むと、回線速度を活かしたONUで快適なインターネットライフを送ることができます。普通は絶対に知ることがなく、損する情報もあるので是非とも活用して行きましょう。
「そもそもNURO光ってどんな感じの回線?」という方はこちらの記事をチェック!
そもそもONUとは?
ONU(Optical Network Unit)とは回線終端装置と言われる機器です。光回線と自宅ネットワークの中継をします。具体的には
光回線の通信⇔PC/スマホの通信の変換
をします。
光回線とPC/スマホではそもそも通信方式が違います。これは英語と日本語くらいの違いです。そのままでは通信できないのでONUが翻訳(通信方式の変換)し、インターネットへアクセス可能にしています。
なお、一般的にはONU配下にルーターを接続します。つまり
PC ⇔ ルーター ⇔ ONU ⇔ 光回線
という接続です。一方NURO光ではONUとルーターが一体型であり
PC ⇔ ONU兼ルーター ⇔ 光回線
という構成になります。
この違いによりNURO光では
- 2Gbpsの回線速度を有効利用可能
- Wi-Fiを含む複数機能を1台で提供可能
といったメリットがあります。
詳細はこちらの記事を参照です。
ONUの機種次第で性能差10倍
NURO光のONUは現在9種類存在しています。
機種 | メーカー | 幅×奥行き×高さ(mm) | 有線LAN | 無線LAN | 無線LAN最大速度 | おすすめ度 |
---|---|---|---|---|---|---|
ZXHN F660T | ZTE | 190×38×245 | 1Gbps×3ポート | Wi-Fi4 (IEEE 802.11 a/b/g/n) | 450Mbps | △ |
HG8045j | Huawei | 230×180×40 | 1Gbps×3ポート | Wi-Fi4 (IEEE 802.11 a/b/g/n) | 450Mbps | △ |
HG8045D | Huawei | 235×30×195 | 1Gbps×3ポート | Wi-Fi4 (IEEE 802.11 a/b/g/n) | 450Mbps | △ |
ZXHN F660A | ZTE | 190×38×245 | 1Gbps×3ポート | Wi-Fi5 (IEEE 802.11 a/b/g/n/ac) | 1300Mbps | ○ |
HG8045Q | Huawei | 235×30×195 | 1Gbps×3ポート | Wi-Fi5 (IEEE 802.11 a/b/g/n/ac) | 1300Mbps | ○ |
FG4023B | Sercomm | 190×143×40 | 1Gbps×3ポート | Wi-Fi5 (IEEE 802.11 a/b/g/n/ac) | 1300Mbps | ○ |
SGP200W | SYNCLAYER | 255×80×192 | 1Gbps×3ポート | Wi-Fi5 (IEEE 802.11 a/b/g/n/ac) | 1300Mbps | ○ |
NSD-G1000T | SONY | 200×26×200 | 1Gbps×3ポート ※内1ポートは2.5Gbps対応 | Wi-Fi6 (IEEE 802.11 a/b/g/n/ac/ax) | 4800Mbps | ◎ |
ZXHN F660P | ZTE | 215×40×230 | 1Gbps×3ポート | Wi-Fi6 (IEEE 802.11 a/b/g/n/ac/ax) | 4800Mbps | ◎ |
■各機種共通の項目
- ONUとルーターが一体型
- 有線LANは3ポート
- Wi-Fi機能付き
■機種により異なる項目
- メーカー
- 寸法
- Wi-Fi速度
中でもWi-Fi速度は大きく異なり、例えば
- ZXHN F660Tは450Mbps
- ZXHN F660Pは4800Mbps
と10倍以上の差があります。これはWi-Fi規格が異なるためです。
- 古いONU:Wi-Fi4→450Mbps
- 新しいONU:Wi-Fi6→4800Mbps
最近主流のWi-Fi6は有線LANの1Gbpsを軽く超える規格です。実際にこの速度を出すには端末側が対応している必要があり、あくまでカタログスペック上の話ですが、それでも古い規格(Wi-Fi4)の機種と比較すると性能的には10倍差です。
古いONUが手配された場合、最新機種からは1歩も2歩も遅れた性能になり明らかにハズレです。Wi-Fi4の3機種(ZXHN F660T、HG8045j、HG8045D)は絶対におすすめできません。
因みに、
・Wi-Fi4の規格上の最大速度は600Mbps
・Wi-Fi6の規格上の最大速度は9600Mbps
だよ。表の速度はあくまでもNURO光のONUの性能ってことは覚えておこう。
実際そんなに速度って必要なの?
現実的に、4800Mbpsとかそこまで速度って必要?NURO光の回線自体は2Gbpsなんだからオーバースペックじゃないの?
その辺はシチュエーションによるかな。具体例を見ていこう。
上記の通り古い機種ではWi-Fi速度が劣りますが、自宅利用でそこまで通信速度は重要なのでしょうか?最古機種でも450Mbpsです。これでも十分と言えないでしょうか?
結論としては『それでも最新機種で速度を最大化した方が良い』です。
そもそも通信速度はどの程度必要でしょうか。一般的なインターネットサービスで必要な通信速度(参考値)は下記の通りです。
サービス | 必要な速度 |
---|---|
SNSメッセージ | ~1Mbps |
WEBサイト閲覧 | ~10Mbps |
オンラインゲーム | 30Mbps〜100Mbps |
YouTube(4K) | 20Mbps |
YouTube(1080p) | 5Mbps |
YouTube(720p) | 2.5Mbps |
YouTube(480p) | 1.1Mbps |
重いオンラインゲームや大容量データのやり取り等特殊ケースを除き、ちょっとしたWEBやSNSの閲覧レベルであれば10Mbps程度で問題ありません。(もちろんサイトによっては画像や動画等の大容量コンテンツがあるので高速であるに越したことはないですが。)
しかし実際の住環境を考えた場合、高速通信可能な環境整備が望ましいです。例として下記間取りでのWi-Fi利用を想定します。
ONU(Wi-Fiルーター)はリビングにあります。リビングに居る時はもちろん、各洋室でもWi-Fiを用します。材質やWi-Fiの周波数にもよりますが、
- ドアや壁等の障害物を挟む
- Wi-Fiルーターからの距離が遠くなる
ことでWi-Fiの速度は低下します。速度低下も加味して問題ないか検討する必要がります。
ここではリビングに居る時と比較して洋室でのWi-Fi速度は1/20程度と仮定します。
- ケース①
- 古いWi-Fi規格で接続
- リビングでの速度は100Mbps
- 洋室での速度は5Mbps
- ケース②
- 新しいWi-Fi規格で接続
- リビングでの速度は1000Mbps
- 洋室での速度は50Mbps
洋室で利用する場合、ケース①は場合によっては不満が出る速度です。一方、②であれば十分快適でしょう。
上記の“1/20”というのはあくまで仮の数字です。実際は1/2程度かもしれないし、1/50かもしれません。「じゃあ実際はどの位なの?」というのは実環境で測定しないと分からないのです。また、そもそもWi-Fi自体不安定なものです。今は問題なくても将来的に外的要因で不安定になる可能性もあります。
Wi-Fi特有の不確定要素を考えた場合、速度は速い方が良く、快適に利用できる確率も上がります。自宅のWi-Fi環境は可能な限り最新規格に対応させ、高速化することが望ましいです。
今持ってるスマホはWi-Fi6に対応してないのよね~
だから意味ないかも。。。
今はそうでも将来的にスマホは買い替えるだろうからその時に本領発揮できるよ。自宅の光回線なんて問題なければ数年単位で使い続けるから、将来のイベントも予測しておこう!
電波を中継すれば良いんじゃないの?
間取りの問題でWi-Fi速度が低下するのであれば、電波の中継による解決が一般的です。これは大本のWi-Fiルーターとスマホの間に電波中継用Wi-Fiルーターを設置する方法です。中間の部屋や廊下で電波を中継することで、大本のWi-Fiルーターから遠い部屋でもWi-Fiを利用可能になります。
ただし、これには中継用Wi-Fiルーターが別途必要になります。安い製品であれば数千円、高機能だと数万円します。その点、NURO光のONUは追加費用なしで提供されます。
間取り上どうしても中継が必要であれば止む無しですが、あくまでそれは最終手段です。まずは費用のかからないONU本体のWi-Fi機能の最新化から着手してみましょう。
古いONUになることはあるの?
実際のところ、おすすめできない機種(Wi-Fi4の機種)が手配されることはあるのでしょうか?機種選定のプロセスが公表されていないので正確には不明ですが、普通に考えれば確率は低いです。
その理由は『メーカーの保守期間』です。
保守とは例えばONUが故障した場合に、メーカーが行う修理対応や交換品の手配のことです。
古いONUの保守には古い部品の在庫を抱える必要があります。在庫を持つだけで倉庫代等のコストがかかるため、いつまでも古い部品を持ち続けることはできません。よって古いONUはいつか保守対象外になります。
NUROとしても、古いONUの設置は将来的な保守対象外時の手間を大きくするので、なるべく新しい機種にしたいのが本音です。タイミングや在庫の兼ね合いで、古いONUになる可能性もありますが、あくまで『普通に考えれば確率は低い』ということです。
古いONUは交換可能?
それでも万が一古い機種のONUになってしまったら完全にオワリね(T_T)
大丈夫!交換できるから安心して!
もし設置されたONUが古い機種でもNUROサポートデスクに連絡すれば交換してもらえます。交換完了まである程度時間はかかるので困ったら早めに相談しましょう。
受付時間:9:00-18:00
一方、交換費用の有無は契約開始時期によって異なるので注意が必要です。
- 2015年8月以前の契約の場合
- 交換に10,800円必要
- 2015年9月以降の契約の場合
- 無償で交換可能
事前に機種の指定はできない
そもそも交換の手間を考えるのであれば「最初から特定の機種を指定すれば良いのでは?」と思うかもしれませんが、事前の指定はできません。
最初の機種選定はNURO側が決定
↓
設置後に問題あれば個別問い合わせ
↓
ONU交換
の流れです。最初は複数機種からランダムに選定される位に思っておけば良いでしょう。
おすすめ機種はSONYのNSD-G1000
ハズレ機種やその対処方法は分かったけど、おすすめの機種はあるの?
もちろんあるよ。その辺も紹介するね。
基本的にはWi-Fi速度が速い最新機種がおすすめですが改めて紹介します。おすすめはSONYのNSD-G1000Tです。理由は下記3点になります。
- ①全機種中最速クラスのWi-Fi速度
- ②2.5Gbps対応の有線ポート(この機種だけ)
- ③安心のSONY製
①全機種中最速クラスのWi-Fi速度
一番の理由はやはりWi-Fi速度です。通信速度は正義です。速度次第で普段のインターネットの快適さが全く異なります。また、速度以外の観点で考えても古い機種特有のメリットあるいは最新機種特有のデメリットも無いので、あえて古い機種を推す理由もありません。
そのため、比較表の通りですが最大4800Mbps出せる最新機種がおすすめになります。
②2.5Gbps対応の有線ポート(この機種だけ)
4800Mbpsに対応しているのはNSD-G1000T、ZXHN F660Pの2機種です。この2台なら正直どちらでも良いですが、実はNSD-G1000Tだけ2.5Gbps対応の有線LANポートがあります。
- NSD-G1000T
- 1Gbps×2ポート
- 2.5Gbps×1ポート
- ZXHN F660P
- 1Gbps×3ポート
2.5Gbps対応のPCを持っている場合、有線接続により超高速な通信環境を整備可能です。大抵の光回線は1Gbpsなので、1Gbpsを超える有線LANポートは意味がありませんが、NURO光は最大2Gbpsでありその恩恵があります。
「有線LANなんて使わないよ」と思うかもしれませんが、最近はオンラインゲームや在宅勤務等で大容量通信や安定した通信環境の需要も増えています。今は不要でも将来的に必要になる可能性はあり、機能として有っても損はないでしょう。
少なくともZXHN F660Pには無い機能なので、「どっちの方がおすすめ?」となればNSD-G1000Tの方に軍配が上がります。
有線LANポートの2.5Gbpsにしても、NURO光の2Gbpsにしても、あくまで『最大速度』の話だからその点は注意だね。常にその値が出る訳じゃないよ。
③安心のSONY製
表の通り、各メーカーがNURO光用のONUを製造しています(NURO単体でONUを製造している訳ではない)。大まかにはZTEやHuawei等の中国メーカーが多めです。人によっては中国メーカーに抵抗を感じる人も居るでしょう。
実際、米国政府は「安全保障上の脅威になる」とし、これらのメーカーの輸入や販売の承認を禁止しています(実質販売禁止)。実際に脅威があるかの真偽はさておき、ニュースがあるのは事実です。
その点、NSD-G1000TはSONY製です。しかも9機種の中でSONY製ONUはこの1台だけです。根拠がある話ではなく、あくまで「少しでも安心が欲しい」という意味でもおすすめになります。
上記以外の観点だと、私はONUのサイズも重視したいわね。設置する棚が小さいからなるべく小さいONUが良いな~
表を見ると縦長だったり横長だったりでサイズも違うので良く確認しておきましょ。
まとめ
- ONUとは[光回線⇔PC/スマホ]の通信変換役
- NURO光のONUは9種類
- 最古機種と最新機種のWi-Fi性能は約10倍差
- 最古機種(Wi-Fi4)は450Mbpsしか出ないので非推奨
- 実際の住環境を考えると最新機種で速度最大化した方が良い
- 電波の中継(別途費用が必要)は最終手段
- メーカーの保守期間的に古いONUになる確率は低い
- もし古いONUになっても交換可能
- ただし契約時期によっては費用必要
- 回線開通前の機種指定は不可
- おすすめ機種はSONYのNSD-G1000
- ①全機種中最速クラスのWi-Fi速度
- ②2.5Gbps対応の有線ポート(この機種だけ)
- ③安心のSONY製
この記事ではNURO光のONUの種類、ハズレ機種、おすすめ機種等について解説しました。
普通、ONUは
- 「業者の人が置いていく機器だな~」
- 「業者の正規品だから問題ないだろう~」
程度の認識だと思います。ましてやONUスペックを気にする人なんて全体の数パーセントでしょう。しかし気を付けないと十分に性能を活かしきれない可能性があります。
もちろん、昔契約した時の機種のままという人も居るでしょうが、機種によって10倍以上の性能差があります。しかも全員同じ月額料金です。年々新しい機種が開発・リリースされており製品サイクル上仕方ない部分はありますが、やはり感情的には納得できないところもあるでしょう。
しかし、多くの人はその事実を知りません。まずは調べて事実を知ることです。せっかくお金を払って光回線のサービスを受けているのだから最大限メリットを教授できるよう情報をウォッチして行きましょう。
最後まで読んで頂きありがとうございました。