NURO光の仕組みは何となく分かって来たんだけど、速度も速いし全員におすすめできる回線よね?
う~ん、それはどうだろう。どんな回線にも良くないポイントはあるし、人によってはおすすめできないかな。今日はNURO光の注意したいポイントを勉強しようか。
広告ではメリットや訴求ポイントが大きく強調され、ユーザー側に不利な情報は見つけにくくなっています。もちろんしっかり調べれば分かりますが、光回線に詳しくない人にとっては中々大変でしょう。
この記事ではNURO光をおすすめできないポイント、注意したいポイントを7つ紹介します。NURO光はサービス形態が特殊が故に特殊なデメリットも持っています。特に、1秒でも早く開通させたい人、SNSで話題になっているパケロス問題が気になる人は一旦待った方が良いです。
契約後の「こんなはずじゃなかった」を避けるためにこの記事の内容に注意しつつ、満足のいく回線を選んでいきましょう。
「そもそもNURO光ってどんな感じの回線?」という方はこちらの記事をチェック!
理由①:提供エリアが限定的
フレッツ光等、全国規模で展開している光回線サービスと比較するとNURO光の提供エリアは限定的です。
- 関東:東京 神奈川 埼玉 千葉 茨城 栃木 群馬
- 東海:愛知 静岡 岐阜 三重
- 関西:大阪 兵庫 京都 滋賀 奈良
- 中国:広島 岡山
- 九州:福岡 佐賀
- 北海道:北海道
※2022年11月現在、一部エリアを除く
提供エリアが限定される理由はNURO光の特殊な提供形態にあります。
メジャーな光回線サービス(例えばドコモ光、ソフトバンク光等)は光コラボと呼ばれ、フレッツ光の回線を利用しています。仕組み上、フレッツ光の提供エリアの準拠しているため光コラボの提供エリアも広範囲になります。
一方、NURO光は光コラボではありません。ダークファイバー(NTT東西の余った光ファイバー)を借りていますが、通信設備は自社で設置しています。
フレッツ光とは別の設備なので、フレッツ光の障害の影響を受けないというメリットはあります。一方で各エリアにNURO光の設備を配置する必要があるので時間もお金もかかります。
NURO光の設備がないエリア = NURO光のサービス提供不可エリア
であり、現在はまだ提供エリアが狭い状況です。
このあたりは今後のNUROの頑張りに期待ね。早く広いエリアで使えるようになって欲しいわね
理由②:工事は2回必要
一般的な光回線は1回の工事で開通しますが、NURO光(通常プラン)の場合は2回工事が必要です。
工事の際は契約者の立会いが必要になります。日程によっては仕事を休む必要があるので、「2回も休めないよ。」という人にとってNURO光の工事はマイナスポイントです。
なお、『工事日を土日で調整する』、『2つの工事を1日にまとめる』ことも可能ですがオプション扱いで別途追加費用が必要です。
- 1回目の屋内工事を土日実施 → 追加で3,300円
- 2回目の屋外工事を土日実施 → 無料で調整可能
- 屋内・屋外工事をまとめて実施 → 追加で5,500円
参照:NURO光の有償工事
理由③:開通まで時間がかかる
NURO光は開通までの時間も長いです。NTT東西との調整や工事業者の都合次第ですが、概ね3ヶ月前後は見ておいた方が良いです。
>>なんで開通までそんなにかかる?NURO光は何やってるの?
『開通までの長さ』はNURO光の一番のデメリットであり、他光回線と比較した際に明確に見劣りするポイントです。
なお、開通までのつなぎとして、格安ホームルータのレンタルがあります。
ただし、通信制限があり、そもそも速度や安定性で言えば光回線(有線回線)が一番です。
特に、
- 通信量が多いので制限をかけられては困る
- 無線の通信品質では不安だ
という人には上記のホームルータはミスマッチです。
私は毎日YouTube見るから通信制限かかっちゃうと厳しいかな。。。
理由④:マンションプランは契約ハードルが高い
NURO光(通常プラン)は
- 工事が2回必要
- 開通まで時間がかかる(大体3ヶ月)
と説明しましたが、集合住宅であれば『マンションプランの契約』で上記問題は解決します。
マンションプランでは
- 工事が1回(屋内工事のみ)
- 開通まで早い(大体2周間)
と多くの課題が解決されます。また、月額料金も通常プランの半額程度でメリットも多いです。ただし、集合住宅であれば無条件にマンションプランを契約できる訳ではありません。
マンションプランで契約するためには『NURO光の設備』が導入されている必要があります。(設備=NURO光の回線+各部屋に回線を分岐させる配線盤(MDF))
>>マンションプランとは?NURO光の設備って?通常プランとの違いも解説
設備導入は、NURO⇔マンション管理会社の間で決定されます。各部屋の住人がマンションプランを契約するタイミングで、設備未導入なら契約できません。
一応、住人から管理会社に「NURO光の設備を導入して下さい」と申請が可能です。承認されればマンションプランでの契約は可能ですが、どのみち時間はかかります。
『月額料金を抑える』目的であれば挑戦する価値はありますが、『開通までの時間を短縮したい』目的であれば本末転倒なので素直に別回線を検討した方が良いでしょう。
管理会社の判断次第なので、『申し込んでも必ず設備が導入される訳じゃない』点は注意だね。
理由⑤:ONUの性能にバラツキがある
ONUとは光回線の光信号とパソコンのデジタル信号を変換する装置で、インターネットアクセスには必須です。
実はNURO光のONUはいくつか種類があります。見た目や大きさが違うレベルであれば良いですが、一部の型番はWi-Fiの速度が遅いなど明確にスペックが低いです。場合によっては外れクジをひく可能性はあります。
機種 | メーカー | 幅×奥行き×高さ(mm) | 有線LAN | 無線LAN | 無線LAN最大速度 | おすすめ度 |
---|---|---|---|---|---|---|
ZXHN F660T | ZTE | 190×38×245 | 1Gbps×3ポート | Wi-Fi4 (IEEE 802.11 a/b/g/n) | 450Mbps | △ |
HG8045j | Huawei | 230×180×40 | 1Gbps×3ポート | Wi-Fi4 (IEEE 802.11 a/b/g/n) | 450Mbps | △ |
HG8045D | Huawei | 235×30×195 | 1Gbps×3ポート | Wi-Fi4 (IEEE 802.11 a/b/g/n) | 450Mbps | △ |
ZXHN F660A | ZTE | 190×38×245 | 1Gbps×3ポート | Wi-Fi5 (IEEE 802.11 a/b/g/n/ac) | 1300Mbps | ○ |
HG8045Q | Huawei | 235×30×195 | 1Gbps×3ポート | Wi-Fi5 (IEEE 802.11 a/b/g/n/ac) | 1300Mbps | ○ |
FG4023B | Sercomm | 190×143×40 | 1Gbps×3ポート | Wi-Fi5 (IEEE 802.11 a/b/g/n/ac) | 1300Mbps | ○ |
SGP200W | SYNCLAYER | 255×80×192 | 1Gbps×3ポート | Wi-Fi5 (IEEE 802.11 a/b/g/n/ac) | 1300Mbps | ○ |
NSD-G1000T | SONY | 200×26×200 | 1Gbps×3ポート ※内1ポートは2.5Gbps対応 | Wi-Fi6 (IEEE 802.11 a/b/g/n/ac/ax) | 4800Mbps | ◎ |
ZXHN F660P | ZTE | 215×40×230 | 1Gbps×3ポート | Wi-Fi6 (IEEE 802.11 a/b/g/n/ac/ax) | 4800Mbps | ◎ |
表の下に行くほど新しい機種になります。Wi-Fiの速度を比べると
- 450Mbps
- 4800Mbps
と10倍以上の差があり、古い機種にあたった場合は体感速度も下がる可能性があります。
※一般的な話として、古い機種はいずれメーカーサポートを受けられなくなるので、いつまでもNUROが古い機種を提供し続けるということは考えにくいです。一方、機種の移行過渡期・在庫状況等の関係によっては古い機種が提供される可能性はあります。
外れクジを引いたら私の快適なWi-Fiライフは終わり?
試合終了(T_T)
いや、そんなことも無いよ。その場合は問い合わせて別型番のONUに交換してもらうことができるよ。
万が一古いONUだった場合はNUROサポートデスクに連絡して交換を依頼しましょう。
電話番号:0120-65-3810
受付時間:9:00-18:00
一方でいくつか注意点もあります。
- どの型番のONUが来るかは当日まで不明(事前の指定は不可)
- 2015年8月以前の契約の場合はONU交換に10,800円必要
- 2015年9月以降の契約であれば無償で交換可能
交換は可能なものの、
- 問い合わせ・機器交換の手間が増える
- 交換までは低スペックで利用する必要がある
というデメリットはあるので覚えておきましょう。
その他、各ONUや通信速度の比較はこちらの記事で詳細を説明しています。
理由⑥:パケロス情報が多数報告されている
2022年11月現在、NURO光利用者から
- 「通信速度がかなり遅くなった」
- 「パケロスが発生している」
という声が多数寄せられています。
通信速度の遅延は輻輳によって起きる
通信速度が遅くなる要素は複数あり断定はできませんが、一般的には輻輳が原因となるケースが多いです。
インターネットと通信する際、専用の道を通る訳ではなく他の人と道を共有しています。つまり自分のパケットと他人のパケットが合流するポイントがどこかにあります。合流後の帯域が十分広ければ問題ないですが、帯域以上のトラフィックが流入すれば通信速度は遅くなります。
あくまで『原因の1候補として考えられる』という話ですが、NURO光の帯域よりもユーザーのトラフィック量の方が多く、通信遅延が発生しているのかもしれません。
パケットとはデータを小分けにした箱のことです。ネットワークの世界のルール上、データの塊を一度に送ることはできず、必ず小分けで少しずつ送ります。
帯域とは回線の最大通信速度のことです。道路で言うと道幅です。「帯域が1Gbps」と言えばその回線は最大1Gbpsで通信できます。
もちろん良くあるってだけで、NURO光で遅い原因は他にあるかもしれないよ。
パケロスが起きるとデータが消失する
一方、パケロスとはパケットそのものがどこかで消えてしまうことです。利用者から見ると違いは分かりにくいかもしれませんが、『通信遅延』と『パケロス』は別の事象です。
- 通信遅延→パケットの届くペースが遅くなること
- パケロス→パケットが相手に届かないこと
相手に届かないので当然正常な通信ができません。パケロスがNURO光回線内で起きており、例えば動画が見れない、ゲームができないと言った事象につながっていると言われています。
原因調査とNURO光の設備増強
もちろん、
- NURO光の全ての回線で起きている訳ではない
- 全回線の内、何割程度発生しているかは不明
- 利用者の環境(端末やWi-Fi環境)に依存している可能性もある
という話はあり、全く問題ない環境もあります。
パケロス及び通信品質の劣化に関して、2022年10月12日公式から調査結果がアナウンスされました。
- 特定業者の端末が大量のトラフィックを発生させ回線が逼迫
- 該当地域で他の利用者にも影響有り
- 該当端末のトラフィックを停止し現在は復旧済み
事象そのものは解決したと読み取れますが、SNS上では継続してパケロスが発生しているという声もあります。実際のところ、発生条件(エリアや頻度)が不明なので明確には断言できません。今NURO光を開通した場合、全く問題ない可能性もあれば、使い物にならない可能性もあります。
2022年11月現在、NUROは設備増強を進めています。
本対応によって通信環境が改善されるのか、あまり関係ないのか、まだ判断はできない状況ですが、不安に感じる人は様子見した方が無難でしょう。
通信品質を決める要素は複数あるから何とも言えないね。ちょっと遅くなる程度だったら我慢できるけどパケロスは厳しいよね。。。
理由⑦:回線撤去する場合は11,000円かかる
NURO光の解約時、回線撤去は必須ではありません。そのまま残置することも可能です。ただし、賃貸で現状復旧を求められる場合はNURO側に依頼して撤去工事を行います。
撤去工事は11,000円かかります。それなりに大きい金額ですし、解約時に撤去が必要かどうかは事前に確認しておきましょう。もし撤去必須な物件であれば元々物件に付随している回線を利用する、回線撤去費用が安い回線にする、という観点でも要検討です。
無理やり帳尻を合わせるなら『契約時のキャッシュバックを撤去工事費に充てれば良い』となりますが、何年後か分からない解約のためにキャッシュバック分をキープしておくのも正直微妙な考えですし、別々で考えた方が良いでしょう。
因みにフレッツ光は回線撤去費用無料だよ。
NURO光がダメなら? → auひかりがおすすめです
諸々検討した結果として、「NURO光にしよう!」と思っても提供エリア外だったらどうしようもありません。その場合はKDDIが提供する『auひかり』がおすすめです。
auひかり基本スペック
項目 | 内容 | 備考 |
---|---|---|
回線速度 | 最大1Gbps | 5Gbps・10Gbpsの 別プラン有り |
プロバイダー | @nifty @T COM ASAHIネット au one net BIGLOBE DTI So-net | |
月額料金 | 戸建:5,390円~ マンション:4,180円~ | |
スマホセット割 | スマートバリュー | 1回線あたり、 550~1,100円×家族人数を 割引き |
事務手数料 | 3,300円 | |
工事費用 | 戸建て:41,250円 マンション:33,000円 | 割引き適応で実質無料 |
契約期間 | 3年/2年/期間なし | |
解約金 | 戸建て:4,460~4,730円 マンション:2,290~2,730円 |
高い通信品質(KDDI自社回線+NTTダークファイバー)
auひかりは光コラボ(フレッツ光の回線を利用するサービス)ではなく、KDDIの自社回線で提供されます。フレッツ光の通信品質や障害の影響を受けず、多くのユーザーから高い通信品質を評価されています。
- 平均Ping値: 15.47ms
- 平均ダウンロード速度: 493.99Mbps
- 平均アップロード速度: 456.35Mbps
※2022年11月現在
KDDI自身が国内でも有数の通信事業ということもあり高い通信品質を誇っています。
- KDDIの自社回線で提供されているのは1都3県(東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県)のみです。
- 上記意外のエリアではNTT東西のダークファイバー(予備の光ファイバー)を借りて提供しています。
提供エリアが広い
さすがにフレッツ光ほどではないですが、auひかりは広範囲で提供されています。
- 北海道:北海道
- 東北:青森 岩手 秋田 宮城 山形 福島
- 関東:茨城 栃木 群馬 埼玉 千葉 東京 神奈川
- 中部:新潟 富山 石川 福井 山梨 長野
岐阜静岡愛知 - 関西:近畿
三重滋賀 京都大阪兵庫奈良和歌山 - 中国:鳥取 島根 岡山 広島 山口
- 四国:徳島 香川 愛媛 高知
- 九州:福岡 佐賀 長崎 熊本 大分 宮崎 鹿児島
- 沖縄:
沖縄
※2022年11月現在
※auひかりは多くの関西エリアでは提供されていません。理由はKDDIと関西電力の業務提携にあります。関西地方では関西電力系列の株式会社オプテージがeo光を展開しています。同地域での競合に配慮して関西ではauひかりは提供されていません。
一部提供していないエリアはありますが、NURO光が提供されていない多くのエリアをカバーしており、かつ高い通信品質を誇るauひかりはおすすめの光回線です。
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まとめ
- NURO光をおすすめしない理由7選
- 理由①:提供エリアが限定的
- 理由②:工事は2回必要
- 理由③:開通まで時間がかかる
- 理由④:マンションプランは契約ハードルが高い
- 理由⑤:ONUの性能にバラツキがある
- 理由⑥:パケロス情報が多数報告されている
- 理由⑦:回線撤去する場合は11,000円かかる
- 特に、③の開通までの時間が許容できない場合は別回線推奨
- ⑥のパケロス問題は不明瞭な点が多く、様子見
- NURO光が無理な場合はau光がおすすめ
この記事ではNURO光をおすすめしない理由を解説しました。
どんなサービスでもメリットとデメリットがあります。普通、光回線の良し悪しは通信速度の話くらいです。しかしNURO光は提供形態が特殊なこともあり、メリットもデメリットも特殊です。
例えば、こんな形です。
- 『下り最大2Gbps』という大きなメリット
- 『開通まで3ヶ月』という大きいデメリット
一方、この記事を通して伝えたいことは下記ポイントです。
- メリットだけでなくデメリットも見よう
- デメリットを自分は許容できるか考えよう
- デメリットを賄うだけのメリットがあるか判断しよう
前述の通りサービスにはメリットとデメリットの両方があります。絶対に爆速、障害は起きない、1時間で開通、キャッシュバックも使い切れない程もらえる、それでいてどこよりも月額料金は安い、そんな回線はありません。一長一短の各サービスから『どれを選ぶか』という話です。回線を選ぶ時はメリットもデメリットも知り、納得して契約することが重要です。
この記事を通して「光回線の理解が進んだ」、「満足の行く回線を選ぶことができた」となってくれたら嬉しいです。
最後まで読んで頂きありがとうございました。