さっきNURO光に申し込んだから、そのうち工事してすぐ開通ね☆来週とかには開通かしら?
いや、それは無いかな…NURO光は開通までの道のりが長いからちゃんと理解しておこう。
NURO光は提供形態が特殊であり、工事の手順も複雑です。特に
- 工事が2回必要
- 開通まで時間がかかる
というのは良く聞く話です。この記事ではNURO光の開通までに必要な工事内容や注意事項を解説します。「何で工事が2回必要なの?」という疑問にもお答えします。
なお、NURO光の工事内容は通常プランとマンションプランで異なります。この記事は通常プラン(主に戸建て向け)の工事内容について説明します。直前になって「こんなの聞いてないよ~」とならないよう予め工事内容について把握しておきましょう。
「そもそもNURO光ってどんな感じの回線?」という方はこちらの記事をチェック!
通常プランとマンションプランで工事内容は異なる
まず、通常プランとマンションプランの違いについて説明します。名称的に
戸建て=通常プラン
集合住宅=マンションプラン
と思われがちですが、厳密には違います。住宅の種類や設備状況によって分かれます。
- 戸建て → 通常プラン
- 集合住宅(NURO光の設備=未導入) → 通常プラン
- 集合住宅(NURO光の設備=導入済み) → マンションプラン
戸建ては通常プラン一択です。集合住宅はNURO光の設備が導入済みか否かでマンションプランの適応可否が決まります。
マンションプランの場合、各部屋に一本ずつ外から光回線を引き込む訳ではありません。
① 電柱から建物への回線を引き込み(共通回線)
② 共通回線を建物内で各部屋へ分岐
といった形で提供されます。①の工事は初回の1回のみで、主にマンションオーナー等の管理下で実施されます(各部屋の契約者は②の工事のみ実施)。つまり『NURO光の設備が導入済み』=『①の工事が完了済み』という意味です。
通常プランとマンションプランの場合、そもそも上記の前提が異なるので工事内容は分けて考える必要があります。この記事では通常プランについて説明していきます。
因みに、『集合住宅かつ①の工事が未実施』というパターンでは、マンションプランはダメだけど通常プランで契約できるから、NURO光そのものが使えないって訳じゃないよ。
NURO光の工事費用
NURO光の工事費用は高い
回線の契約時、事務手数料とは別に工事費用も発生します。それなりの金額がかかるので詳細を見ていきましょう。まず、一般的な光回線の導入工事費用はどの程度でしょうか。
光回線 | 工事費用(戸建て) |
---|---|
フレッツ光 | 19,800円 |
ドコモ光 | 19,800円 |
ソフトバンク光 | 26,400円 |
au光 | 41,250円 |
ビッグローブ光 | 19,800円 |
NURO光 | 44,000円 |
概ね2万円前後が多いです。ここは配線部材や作業員の人件費が発生するため仕方ない部分です。一方NURO光は44,000円と業界内でもトップクラスに高額です。
これはNURO光がダークファイバーを用いてサービス提供されていることに起因します。ダークファイバーとはNTT東日本/西日本の使われていない光ケーブルのことです。あくまで借りているだけで管理はNTT東西になるので、NURO側の工事とNTT東西側の工事が必要になります。別工事(別日程・別業者)になるという背景もありNURO光の工事費用は高額になってしまいます。
>>ダークファイバーを用いたNURO光のサービス提供について
だけど実質無料の特典もあるから安心
44,000円はかなりの負担ですが、安心してください。契約時の特典で実質無料になります。本来は毎月分割で支払いますが、特典によって毎月同額が割引かれます。
そのため、現実的には工事費用のことを考える必要はありません。工事費実質無料の特典は他の特典と併用可能であり、その点も心配は不要です。もちろん3年契約プランでも2年契約プランでも適応可能です。
- 契約期間なしプランで契約した場合(満額支払う必要あり)
- 3年契約プラン/2年契約プランを途中解約した場合(残債を支払う必要あり)
→『3年契約プラン/2年契約プランで契約』かつ『期間満了まで継続利用する』が工事費実質無料の条件。
工事回数と工事期間
工事は2回行う
一般的な光回線の工事であれば1回ですが、NURO光(通常プラン)の工事は2回行われます。これは上記の通り、NURO管理の工事とNTT東西管理の工事があるためです。
- 1回目の工事:屋内工事、NUROの管理
- 2回目の工事:屋外工事、NTT東西の管理
1回目、2回目共に問題なければ1~2時間程度で終了します。ただし、作業中は(ずっと見ている必要は無いですが)立ち会う必要はあります。2回都合を付ける必要があるので面倒ですね。
「どうしても1回にまとめたい」という場合、別途5,500円かかりますが、宅内・屋外工事の同日対応オプションがあるので検討しても良いでしょう。
ただし、関東エリアかつ戸建て住宅であることが条件だよ。
工事期間は長い
また、開通まではそれなりに時間がかかります。概ね3か月程度はかかると思っていた方が良いでしょう。
※引っ越しシーズンや工事業者が立て込んでいる時期、自宅周辺の環境によってはもっと時間がかかるケースもあります。
2022年1月~6月の実績は下記の通りです。
- 戸建て:概ね80%が3か月以内に開通
- 集合住宅:概ね70%が3か月以内に開通
出典:NURO光
さ、さ、3ヶ月…
随分かかるのね。
また、NTT東西の工事日程はNURO側の屋内工事が完了してから調整となります。先に同時並行で日程調整を・・・ということもできないので余計時間はかかってしまう訳です。
言ってしまうと、NURO側だって開通後じゃないと料金を徴収できないから早く開通させたい気持ちは一緒だよ。別に意地悪で遅らせている訳じゃないよ。
開通までのレンタルWi-Fiもある
とは言え、
- すぐにでもインターネット環境が無いと困る
- スマホの契約(数GB)では容量が足りない
といった需要もあるでしょう。
NURO光ではそういった需要に応えるため、短期間のレンタルWi-FIがあり開通工事が完了するまでの代替え手段になります。
項目 | レンタルWi-FIプラン | レンタルWi-Fi(S)プラン |
---|---|---|
1ヶ月あたり容量 | 無制限 | 12GB |
通信制限条件 | 3日間で10GB | 3日間で3GB |
制限後の通信速度 | 700Kbps以下 | 700Kbps以下 |
初期費用 | 2,200円 | |
1ヶ月目料金 | 0円 | |
2ヶ月目料金 | 0円 | |
3ヶ月目以降の料金 | 5,148円/月 | 2,178円/月 |
レンタルWi-Fiの契約に 必要なNURO光のプラン | NURO 光 2ギガ(3年契約/2年契約/契約期間なし) |
無制限プランと12GBプランがある
プランとしては上記の表の通り
- “レンタルWi-FIプラン”(容量無制限)
- “レンタルWi-Fi(S)プラン”(12GB)
の2つがあります。『自宅の光回線の代替手段』という前提であれば、容量無制限プランがおすすめです。特に動画サイトやゲームのダウンロード等を利用する前提であれば、すぐに12GBに到達してしまう可能性があります。
通信量が多くない(ちょっとした検索やSNS閲覧程度)なら、スマホの4G/5Gのプラン内で収まる可能性があるからNURO光のレンタルWi-Fiは不要かもしれないよ。
3日間の容量制限を超えると700kbpsに…
月間の通信容量の他に3日間の容量制限もあります。
- 無制限プラン → 3日間で10GB
- 12GBプラン → 3日間で3GB
これを超えてしまうと700kbps以下になってしまうのでかなり厳しいです。1Mbpsを割り込むとWEBの閲覧だけでもストレスを感じるレベルになるので短期間での使いすぎには注意が必要です。
最初の2ヶ月は無料
初期手数料は2,200円です。また、各プランの月額料金は
- 無制限プラン → 5,148円
- 12GBプラン → 2,178円
ですが最初の2ヶ月はなんと無料です。
2ヶ月以内に回線が開通すれば費用は初期手数料の2,200円のみです。仮に3ヶ月だとしても合計費用は7,368円(無制限プラン)で、月平均2,456円なので十分お得な料金です。
合計費用は3ヶ月目に入るかかどうかで大きく変わりますがそれは回線工事の調整次第なので何とも言えません。ただ、あくまで『開通までのつなぎ』としては一候補になるでしょう。
どうしても開通までの別手段が必要な場合に検討ね!
1回目工事(屋内工事)
1回目工事は屋内作業です。下記作業を実施します。
- 光キャビネットの取り付け
- 光ケーブルの配線
- 光コンセントの取り付け
- ONUの設置
屋内工事(1) 光キャビネットの取り付け
光キャビネットとは家の外壁に取り付ける白いBOXです。電柱から引き込んだ光ケーブルと屋内配線を中継します。寸法は横77mm×縦183mm×奥行37mmで片手サイズです。色的にも形状的にもそこまで目立つものでは無いです。
責任分界点になる
光ケーブルを電柱から直接室内へ引き込む訳ではなく、一旦光キャビネットに収容、そこから別の光ケーブルで配線しています。
NURO光の回線はNTT東西から“借りた”ダークファイバーを利用しています。そのためNTT東西が管理する範囲とNURO側で管理する範囲を明確に分ける必要があります。具体的には光キャビネットの外側はNTT東西の管理、内側はNUROの管理となり、光キャビネットは両者の責任分界点となります。
穴あけは必要?
もしかして、光キャビネットって壁に穴あけるのかしら?
光キャビネットの設置はビス留めが必要であり、固定する際は3mm~4mmの穴を3箇所開けます。撤去する際は穴埋め工事も行いますが、穴あけが難しい場合は両面テープへの変更も可能です。
両面テープは業務用の頑丈な素材なので雨風で取れてしまうことは基本的に無いですが、外壁の材質によっては取り付けられないケースもあります。実施可否は工事業者の判断になりますが、いずれにしても両面テープ希望であれば伝えておきましょう。
『穴あけ』は同じ通常プランでも、
・持ち家:自分で判断すれば良い
・賃貸:管理会社に確認が必要
なので事前に作業内容は良く理解しておこう!
屋内工事(2) 光ケーブルの配線
まさか、光ケーブルの配線も壁に穴を?
光キャビネットから部屋までの光ケーブルを配線します。これは外壁から屋内への配線なのでどこかに“穴”が必要になります。
NURO光では下記いずれかのパターンになります。
- 電話線などの既存配管を利用
- エアコンダクトを利用
- 新規穴開け
電話線などの既存配管を利用
電話線や他の光回線を配線するための配管を流用するケースです。配線ルートは既存配線と似ており、作業もしやすいのでまず最初にこの方法を検討します。光ケーブルを通すだけですが、配管がない場合やゴミや土で埋まっている場合はこの方法は使えません。
エアコンダクトを利用
既存配管を利用できない場合はエアコンダクトを利用して配線します。エアコンダクトは部屋のエアコンから室外機に伸びるダクトのことです。エアコンが設置されている部屋に限定されますが外からの配線が可能になります。
一方、そもそもエアコンがない、天井設置型のエアコン等の場合、この方法も使えません。
新規穴開け
既存配管もエアコンダクトも利用できない場合、最終手段として新規で穴をあけます。もちろん工事業者も穴をあけずに済む方法がないか現場で検討しますが、どうしても無理な場合は穴あけの提案になります。
穴をあけるかどうかはは事前には分からず、工事業者が現場を確認する必要があるので当時急に・・・となってしまいますが可能性としては0ではありません。
屋内工事(3) 光コンセントの取り付け
光コンセントとは外から引き込んだ光ケーブルと部屋の中のONUを中継するための接続口です。光コンセント自体は部屋の中の壁に取り付けられます。自然とONUも光コンセントの近くに置くことになります。
なお、光コンセントはキャリア(回線業者)の資産となります。最近の物件であれば最初から備え付けられていますが、NURO光の回線を接続することはできません。NURO光用の光コンセント設置は必要になります。
細かい話は業者に見てもらって判断だね。因みに壁際は作業しやすいように事前に片付けておこう(^^)
屋内工事(4) ONUの設置
ONUも1回目の屋内工事で設置されます。設置されるだけで2回目の工事が完了するまでは利用できません。
気を付けておきたいのがONUの設置場所です。通り基本的には光コンセントの近くことになりますが、デバイスの接続方法によっては使いづらくなります。例えばテレビを有線接続したいのにテレビとONUが部屋の対角線上にあれば繋ぎにくくなります。
光コンセント⇔ONU間は光ケーブルで接続されます。一般的なLANケーブルではないので後で長いケーブルに交換するのも手間です(ONU移設作業を依頼すると15,715円かかります)。
『各デバイスをどのように繋ぐのか』を事前にイメージした上でONUを設置してもらうと良いでしょう。
僕は昔、たまたま枕元の近くにONUが設置されたんだけど、寝る時にLEDが気になるんだよね。テレビ台の後とかに隠した方が景観的にも良いし個人的にはオススメかな。
2回目工事(屋外工事)
1回目の工事が完了したら2回目の工事の日程を調整し、作業を実施します。2回目の工事では電柱から光キャビネットまでの光ケーブル引き込みを行います。
電柱の光ケーブルはNTT東西が管理しています。そのためこの工事はNTT東西が派遣する工事業者が実施します(1回目工事とは別の業者が来ます)。
問題なければ作業は1~2時間程度、立ち会いは必要というのは1回目と同じです。一方、上記の作業範囲なので部屋の中の工事は不要です。
日程調整に時間がかかる
1回目と比較すると2回目工事の日程調整は時間がかかり、場合によっては数ヶ月単位になります。理由は1回目工事の結果確認や自宅周辺の環境確認が必要なためです。特に下記のようなケースでは日程確定までに時間がかかります。
- 電柱が遠く、光ケーブルの距離が足りない場合
- 電柱~自宅間に障害物がある場合
- 電柱が地中化されている場合
- 国道、私道付近で工事する場合
- 河川付近で工事する場合
状況によっては自宅の工事の前に、電柱の光ケーブルを増設する、国や土地所有者に許可を貰う対応が必要になります。関係者が増えるほどやり取りに時間がかり、開通まで時間がかかります。
こればっかりは自宅の周辺環境によるし、自分でどうにかできる話じゃないね。
キャンセル費用はかかる?
工事がキャンセルになった場合でもキャンセル費用がかからないケースもあります。
- 屋外工事の2日前まで:無料
- 工事当日、実施不可と判断された場合:無料
もちろん契約者側の都合でキャンセルした場合、費用が発生する可能性はあるので注意しましょう。
まとめ
- NURO光の工事費用(44,000円)は業界トップレベルに高い
- 実質無料の特典があり、実際は問題無し
- 工事はNURO側とNTT東西側で合計2回行う
- 工事期間は長い
- 概ね3ヶ月、場合によっては更に…
- 開通までのレンタルWi-Fiで急場しのぎもできる
- 1回目工事(屋内工事)
- 光キャビネットの取り付け
- 光ケーブルの配線
- 光コンセントの取り付け
- ONUの設置
- 2回目工事(屋外工事)
- 電柱からの光ケーブル配線
- 2回目工事の日程調整で特に時間がかかる
- 特定ケースではキャンセル費用は無料
この記事ではNURO光の工事内容について解説しました。
「光回線の工事なんて、業者のおっちゃんがなんかイイ感じにやってくれるでしょ」くらいに思っていませんか?
確かに大雑把に言えばそうですが、NURO光は開通までかなり時間がかかります。理由も知らずに待たされる・・・というのもイライラが溜まる一方でしょう。
また、工事内容を知っていれば(賃貸の場合は)工事実施が問題ないか余裕を持って管理会社に確認できます。賃貸の場合、無許可工事で後で問題になるなんてケースも稀にあるのです。。。
もちろん、工事内容を隅々まで熟知する必要は無いですが、ポイントは押さえた方が開通までスムーズなのでこの記事の内容を是非役に立てて下さい。
最後まで読んで頂きありがとうございました。