光回線の開通工事ってやっぱり壁に穴あけるのかなぁ?ウチは新築だから穴はあけたくないのよね。。。
そうとは限らないよ。今日はNURO光の配線方法について学んで行こう!
“光回線”と言うくらいですから当然光ケーブルを屋内に引き込みます。つまりどこかに光ケーブルを通すための穴が必要です。と聞くと『必ず壁に穴をあける』と思われるかもしれませんが、必ずしもそうとは限りません。
NURO光の配線方法は
- ①電話線用の既存配管を利用
- ②エアコンダクトを利用
- ③新規穴あけ
の3パターンあり、自宅の環境次第で工事方法が決定されます。
この記事ではNURO光における光ケーブルの配線方法について解説します。
「穴があくから光回線は契約したくない!」
と躊躇している方やこれからNURO光の工事を控えている方はこの記事を読むことで、その不安を解消できます。むしろ自分の誤解によって快適なインターネットライフを逃している可能性もあります。
工事内容を正しく理解していないと漠然と不安になるだけです。疑問点は解消した上で契約し、快適なインターネットライフを手に入れましょう。
光回線は屋外から光ケーブルを配線する
まず、一般的な光回線は電柱から光ケーブル引き込みます。光ケーブルは屋内のONU※に接続するため
屋外→屋内への光ケーブルの配線ルート
が必ず必要になります。
この配線ルートをどう確保するか?というのがこの記事の主題です。
部材によりますが光ケーブルは概ね1~3mm程度の太さです。また、光ケーブルの中身は石英(ガラス)です。UTPケーブル(LANケーブル)ほど柔軟ではなく、無理な配線はケーブルの欠損(通信断、通信品質の低下)を招きます。そのため配線ルートはしっかり確保されるべきです。
回線終端装置と言われ、部屋の中に設置される光回線が繋がっている箱です。光回線と自宅ネットワークを中継する機能を持っています。
NURO光では既存配線を流用できない
そういえば、ウチはフレッツ光からNURO光に乗り換えるんだけど、既に光回線があるわね。これをそのまま流用すれば簡単ね!
残念ながらそう簡単ではないんだ…
フレッツ光※等の他社回線からNURO光へ乗り換える場合、既存光ケーブルは流用不可です。
※ドコモ光、ソフトバンク光等の光コラボ系回線含む。
■例
- フレッツ光→ドコモ光への乗り換え
- 流用可能
- ドコモ光→ソフトバンク光への乗り換え
- 流用可能
- ソフトバンク光→NURO光への乗り換え
- 流用不可
流用不可の理由はNURO光の特殊なサービス提供形態にあります。
フレッツ光の場合、屋外回線~屋内配線までNTT東西一社提供です。
一方NURO光では、屋外回線はNTT東西提供、屋内配線のみNURO提供です。
光回線サービス | 屋外回線の管理 | 屋内配線の管理 |
---|---|---|
フレッツ光 | NTT東西 | NTT東西 |
NURO光 | NTT東西 | NURO |
フレッツ光で既に利用している屋内配線はあくまでNTT東西管理の配線です。NURO光でも利用できるようにはなっておらず、NURO光利用には新規屋内配線が必要という訳です。
NURO光の配線方法は3パターン
では、屋外からの光ケーブルをどうやって屋内に配線するか具体的な方法を解説します。
- ①電話線用の既存配管を利用
- ②エアコンダクトを利用
- ③新規穴あけ
配線方法①:電話線用の既存配管を利用
最初は電話線用の既存配管を利用する方法です。
一般的な住宅のコンセントは電源の他にTVのアンテナや電話線の接続口が付いています。電話線は光回線と同様、屋外からケーブルを引き込んで屋内の機器に接続しています。電話線はどの家庭でも必要性が見込まれるため、配線用の配管が最初から設置してある住宅がほとんどです。
光回線の工事ではこの配管を利用(既存の電話線と光回線を相乗り)して配線するケースが多いです。
元々配線する想定で配管は設置されていますし、上記のコンセントの写真のように電話線の出口と光ケーブルの出口がセットになっているコンセントもあります。この場合配線ルート的にも既存電話線に合わせれば良いので配線しやすく一番収まりが良いのです。
基本的に工事業者は、この既存配管を利用する方法を一番最初に検討します。
なーんだ、こんな便利な仕組みになってたのね!じゃあ穴あけは不要ね。
まぁ基本的にはこの方法になるんだけど、100%そうとは限らないんだ。他の工事方法になるパターンも見てみよう。
配線方法②:エアコンダクトを利用
基本的には電話線用の既存配管を利用する訳ですが、どうしても無理な場合もあります。具体的には下記のようなケースです。
- 元々配管が設置されていない
- 配管が詰まっている(さび、土、ゴミ等)
- 配管出口の設置物により配線作業ができない
- 配管が曲がり過ぎており配線作業ができない
上記の場合、エアコンダクトを利用して配線します。
エアコンダクトとはエアコン本体と室外機を繋ぐダクトのことです。
エアコンは屋内の空気を外に逃がすor屋内に熱を送り込む機能を持っています。屋内⇔屋外の空気の移動があるためエアコンダクトは屋内外で繋がっています。この工事ではエアコンダクトの穴を利用して光ケーブルを配線します。
一方エアコンダクトを利用する方法にはいくつかデメリットがあります。
デメリット(1)配線が目立つ
電話線用の配管を利用する際はコンセントから光ケーブルが出てきます。他の電源ケーブルと同じ高さなので比較的目立たないように配線可能です。
一方、エアコンダクトはエアコンの近くの穴から光ケーブルが出てきます。大人の目線と同じ位の高さなので目立ちやすいという欠点があります。
そのため、
- 部屋の角で光ケーブルを下ろしてもらう
- 配線モールで目立たなくする
といった工夫が必要になります。
配線モールは両面テープで壁付け可能で、100円ショップやAmazonで簡単に購入できます。
デメリット(2)エアコンがある部屋でしか工事できない
エアコンダクトの穴経由で光ケーブルを配線するため、エアコンがある部屋にONUを設置することになります。LANケーブルでの有線接続にせよ、Wi-Fiでの無線接続にせよ、普段端末を利用する場所の近くにONUがあった方が使いやすく、通信品質も安定します。
間取り次第でONUを設置したい場所は異なりますが、“エアコンがある部屋”が条件になるため選択肢が限られます。エアコンダクトを利用する場合、ONUの設置位置的に問題ないかも検討しましょう。
そういえばデスクトップPCを有線でインターネットに繋ぎたいのよね。PCの部屋はエアコンがないから接続方法は考えなくちゃ。。。
デメリット(3)エアコンの作業の邪魔になる。
例えばエアコンの修理や交換の際、エアコンダクトの光ケーブルが邪魔になる場合があります。
エアコン業者としては光ケーブルは自社の範疇外なので触りたくないのが本音です。(もし光ケーブルを傷つけてしまった場合の責任が面倒なので。)
そのままでエアコンの作業をできれば良いですが、場合によっては一度光ケーブルを外す必要がある等手間になる可能性はあります。
まぁエアコンの作業なんて滅多に無いだろうから、言うとすればって感じのデメリットだね。
配線方法③:新規穴あけ
一部注意事項やデメリットはありますが上記の通りエアコンダクトを使うことで光ケーブルの配線は可能です。しかし、下記のようなケースではエアコンダクトを使った配線もできません。
- 天井のエアコン(埋め込み型)の場合
- エアコンダクトから電柱までの距離が長過ぎる場合
天井埋め込みエアコンは普通のエアコンとは構造が違うから光ケーブルの配線ができないね。
また、光ケーブルは電柱から引き込むのだけど、電柱があまりにも遠いと工事できないケースがあるんだ。
既存配管もエアコンダクトも使えない場合、新たに穴あけが必要になります。穴は直径約10mm程度で場合によっては外壁に引き留め金具を取り付ける場合があります。
具体的にどの壁にどう穴をあけて光ケーブルを通すかは工事業者の判断になります。万が一穴あけが必要となった場合、後々のトラブルを避けるため工事方法を良く確認し納得した上で工事に進んでください。
また、持ち家ではなく賃貸の場合、オーナーの許可を得る必要もあるでしょうから、これも後々のトラブルを避けるために必ず相談しましょう。
なるほど~穴あけはホントに最終手段なのね。。。
そうだね。あくまでレアケースっていう認識で良いと思うよ。
もちろん可能性は0じゃないけど。
解約時は撤去工事有り(有償)
もし解約した場合、穴や光ケーブルはどうなるのでしょうか?
解約時、ONUの返却は必要ですが配線等の撤去工事はありません。つまり開通時の工事の痕跡(屋内配線や壁の穴)は残置となります。
解約時に希望すれば撤去工事は可能です。ただし11,000円の有償対応となります。もし開通時に穴あけをしている場合は撤去工事の際に穴を塞ぐ作業も一緒に依頼しましょう。
参考:NURO光の有償工事
マンションプランでは穴あけ不要
マンションプラン場合、穴あけの心配は不要です。マンションプランでは既に集合住宅のMDFとうい所に光回線が引き込まれています。契約後、MDF~部屋間の屋内配線だけで開通するので、そもそも電柱~建物内部への光ケーブルの配線を気にする必要が無いのです。
MDFとは集合住宅の回線を集中管理する配線盤のことです。
集合住宅は大規模物件だと数百部屋あります。各部屋で個別に光回線を契約し1本ずつ外から部屋へ配線すると、かなりの量になり管理も大変です。
そこで、外から引き込んだ回線は一旦MDFへ収容、MDFから各部屋へ配線(分岐)し、ケーブルの削減や一元管理できるようにしています。
マンションプランの回線は通常プランとは大きく異なるため
- 開通までの期間が短い
- 料金が安い
といったメリットが複数あります。
工事費用は実質無料
具体的な配線方法(配管利用orエアコンダクトor穴あけ)は当日工事業者の判断で決まります。特殊な施工方法を要求する等、よほどの事がなければどの配線方法でも工事費用は変わらないので安心してください。
NURO光の工事はNURO側とNTT側で計2回必要となることもあり、工事費用は44,000円と他社と比較しても高額です。一方、契約時の特典で実質無料となります。
実質無料の特典を受けるためには『契約期間満了までの利用が必須』等の条件があり、無条件で無料となる訳ではありません。
NURO光は超高速の光回線
NURO光は他社ではほとんど採用されていないG-PONという仕組みを使った高速回線です。そのため、一般的な光回線は大抵1Gbpsなのに対し、NURO光は2倍の2Gbpsの速度を誇ります。
追加料金は不要で、いわゆる『普通のプラン』で2Gbpsであり速度的にも料金的にも大きなアドバンテージがあります。
また、通常の2Gbpsプランに+500円するだけで10Gbpsプランに変更可能です。一般ユーザーにとってもヘビーユーザーにとっても魅力的な光回線であり、
- 高画質な動画視聴
- オンラインゲーム
- 在宅勤務(大容量ファイルの送受信)
等々あらゆるシーンで快適な通信速度を提供します。
新規契約を検討中の人も今の回線に不満がある人もNURO光は候補の1つになる回線です。もちろん良い面も悪い面もあり十分理解した上で検討しましょう。詳しくは下記の記事をチェックです。
まとめ
- 光回線は屋外から光ケーブルを配線する
- NURO光では既存配線を流用できない
- NURO光の配線方法は3パターン
- 配線方法①:電話線用の既存配管を利用
- 配線方法②:エアコンダクトを利用
- 配線方法③:新規穴あけ
- 解約時は撤去工事有り(有償)
- マンションプランでは穴あけ不要
- 工事費用は実質無料
この記事ではNURO光の工事における配線方法について解説しました。
『光回線の開通工事=壁に穴をあける』というイメージがあるかもしれませんが、実際はそうでもありません。工事方法は自宅の環境次第ですが、基本的には既存の配管を使いますし穴あけは最終手段です。
この記事で伝えたいことは
- 工事業者は問答無用で穴をあける訳じゃない
- できるだけ家を傷付けずに工事する方法を考えてくれる
ということです。
契約者にとっては初めての工事でも、工事業者は何百回もやっている作業です。契約者が気にするポイント、不安に感じるポイントは大体分かっています。
だからといって何も確認せず業者任せで良いという訳ではないですが、自分の家のことなので最低限の作業内容は知っておいて良いと思います。知ることで解消される不安もありますし、何よりも納得した上で光回線を契約して欲しいと思います。
最後まで読んで頂きありがとうございました。