NURO光の回線速度や品質って実際どうなんだろう?
我が家で測定してみたよ。
回線速度を測定するサイトは「回線速度」、「speedtest」等のキーワードで検索すればたくさん出てきます。どれも無料・手軽に回線速度の測定が可能です。
上記のような画面はSNS上でも頻繁に拡散されています。良い結果であれば『爆速』、悪い結果であればゴミ回線扱いされることもあります。しかしこの測定結果はある問題を抱えています。それは『ある一瞬の測定結果に過ぎない』という点です。
例えば、
- 普段は100Mbpsも出てない
- →偶然700Mbps出た瞬間の画像で爆速回線扱いする
- 普段は安定して500Mbps以上出ている
- →偶然パケロスが発生した時の画像で悪評を広める
といったこともやろうと思えば可能です。
もちろん全員が悪意を持って拡散している訳ではなく、ある程度実態に即した情報もあります。しかし契約を検討中の方が本当に知りたいのは『長期的に安定しているか』という点です。
そこで我が家のNURO光回線を使って長期的に回線品質を測定しました。あくまで1世帯分の測定結果ですがNURO光検討の参考になれば幸いです。この記事では2023年の測定結果の総括をします。2月から測定を開始しましたが品質は良い時も悪い時もありました。約11ヶ月分のデータを眺めながらNURO光の回線品質を確認していきましょう。
測定機器故障や測定サイトのダウンでうまくデータが取れてない期間があるけどそこはごめんなさい(;_;)
測定条件
測定条件は下記の通りです。
- 測定マシン
- デバイス:NucBox7S
- OS:Windows11
- 接続方法:有線LAN(ONUに直接接続)
- 測定方法
- 測定ツール:SPEEDTEST CLI
- 測定頻度:1時間に1回(毎時00分)
- 測定場所
- 東京23区内(マンションプラン)
- 測定項目
- ダウンロード速度
- アップロード速度
- レイテンシ
- ジッタ
- パケットロス
ダウンロード速度
ダウンロード速度とは
ダウンロード速度はインターネット→自宅方向の通信速度です。例えばYahooの閲覧やYouTubeの視聴など基本的にインターネットの利用はダウンロードが多いです。故に回線の最重要評価指標になります。
NURO光のダウンロード速度は最大2Gbpsですが、我が家のONUの有線LANポートは1Gbpsであるため測定結果も最大1Gbpsとなります。
一般的にダウンロードの通信速度は利用用途に応じて下記速度が必要と言われています。ヘビーな用途でなければ数十Mbpsで十分というケースがほとんどです。
サービス | 必要な速度 |
---|---|
SNSメッセージ | ~1Mbps |
WEBサイト閲覧 | ~10Mbps |
オンラインゲーム | 30Mbps〜100Mbps |
YouTube(4K) | 20Mbps |
YouTube(1080p) | 5Mbps |
YouTube(720p) | 2.5Mbps |
YouTube(480p) | 1.1Mbps |
測定結果
項目 | ダウンロード速度[Mbps] |
---|---|
最大値 | 912 |
最小値 | 11 |
平均値 | 412 |
中央値 | 376 |
まず全体を通して見ると中央値は376Mbpsでした。普通に使う分には10M, 20Mbps程度あれば十分なので速度としては十分でしょう。私の利用用途でダウンロード速度が求められるのは下記になります。
- iPhoneのOS更新/アプリ更新
- PCのWindowsアップデート
- ゲーム機のアップデート
特にゲーム機のアップデート(PS5など)は十数GBのダウンロードになることがあり時間がかかります。大容量ファイルのダウンロードにおいて300Mbps以上あると考えれば十分な速度です。もちろん上記は統計的な数値です。グラフを見ても分かるように常時300Mbps以上出ている訳ではなく、タイミングによっては大きく下回ります。あくまで、“試行回数を重ねればそれくらいの値に収束するんだな”程度の認識が無難でしょう。
また、最高速度に目を向けると、7月中旬までは900Mbps出ていましたが、7月中旬以降は700~800Mbps程度に落ちています。特に測定環境は変わって無いので、
- NURO光の設備に何かあったのか
- 回線のトラフィック状況に変化があったのか
- 測定機材の劣化か
等々予想されるポイントはありますが、実際のところは原因の断定には至りません。
まぁ、900→700だから、それでも十分速いけどね。
これが200→10とかだったら体感できるレベルで影響あるだろうけどね^^;
アップロード速度
アップロード速度とは
アップロード速度は自宅→インターネット方向の通信速度です。一昔前は『インターネット=ダウンロード方向の利用』でしたが、最近はYouTube等への動画投稿、在宅勤務の増加等に伴いアップロード通信の需要も高まっています。
アップロード速度は一般的に10Mbps以上が望ましいと言われています。メールの送信・SNSへの写真投稿等の一般的な用途であれば数Mbpsレベルでもストレスなく利用可能です。
測定結果
項目 | アップロード速度[Mbps] |
---|---|
最大値 | 817 |
最小値 | 0 |
平均値 | 624 |
中央値 | 706 |
全体の中央値は706Mbpsでした。ダウンロード速度の中央値は376Mbpsだったので300Mbps以上高速です。毎月お決まりのパターンですが、ダンロード速度よりもアップロード速度の方が実測値は高速です。
また、最大値を見ても年間通して(ダウンロード速度よりも)安定しています。概ね700~800Mbpsのレンジに収まっており、ブレは少ないです。
ただ、幅は小さいですが、7月中旬を堺に50MbpsほどMAX値は落ちています(ダウンロード速度同様)。また、上半期は最小値が100Mbps~200Mbp程度に収まっていましたが、下半期は0近くまで落ち込むことがあり、やはり7月ごろから何かが変わったように見えます。
速度の絶対値は十分すぎる水準であり問題無いですが、長期スパンで見た時の変動はどうなるか2024年も引き続き測定していきます。
ダウンロードと同じタイミングで変わったということは、きっと何かあるわね・ω・
レイテンシ
レイテンシとは
レイテンシとは何かしらの要求から応答が返ってくるまでの時間のことです。例えば
- Yahooのページのクリックから応答までの時間
- オンラインゲーム上のアクションが反映されるまでの時間
等が該当します。
- 通信速度=1秒間に送受信できるデータ量
- レイテンシ=応答までの時間
であり全くの別ものです。特にオンラインアクションゲームのようなリアルタイム性が重視される用途ではレイテンシは重要な指標です。
レイテンシの値は小さい程良いですが、一般的には50ms未満が基準とされています(オンラインゲームでは10ms未満が理想という意見もある)。少なくても数百msレベルであればかなり遅く、用途によってはストレスを感じます。
測定結果
項目 | レイテンシ[ms] |
---|---|
最大値 | 138.20 |
最小値 | 1.94 |
平均値 | 4.84 |
中央値 | 3.81 |
年間通しての中央値は3.74msでした。概ね4ms以内で応答が返ってくる結果であり良好です。
レイテンシに関しては値が跳ねるタイミングもあります。しかし全て一過性のものであり、断続的ではないので問題なしというパターンがほとんどでした。それでも6月は全体的な品質が悪く、100ms超えのタイミングもありましたが翌月には盛り返しています。
みんな速度に注目しがちだけど、クリックしてからすぐ反応があるっていうのも凄く大切よ!
ジッタ
ジッタとは
ジッタとはレイテンシのゆらぎのことです。
ジッタが大きい=レイテンシが大きかったり小さかったりブレる=不安定と言う意味です。
本来、データは一定間隔で送られて来て欲しいものです。受信側は一定間隔で来たデータを処理し画像やテキスト、音声等の人間が分かる形に復元しています。しかし、ジッタが大きいと受信側でデータの整合性が取れない等不都合が生じます。
■例
- 送信側:A→B→Cの順番で送信
- ジッタが小さい場合
- 受信側:A→B→Cの順番で受信(正常)
- ジッタが大きい場合
- 受信側:B→A→Cの順番で受信(エラー)
レイテンシ同様、ジッタ値も小さい程良いです。目安としては5ms以下が基準です。理想を言えば1ms以下程で、この水準を維持できれば安定した(変動が少ない)回線と言えます。
測定結果
項目 | ジッタ[ms] |
---|---|
最大値 | 375.71 |
最小値 | 0.01 |
平均値 | 0.48 |
中央値 | 0.14 |
年間通しての中央値は0.14msでした。全体を通していえば良好な値で問題ないレベルでしょう。
唯一言及すべきは6月~7月でしょうか。特に6月は実感できるレベルで回線品質が悪く、ジッタも375msの過去ブッチギリワースト1の記録を叩き出していました。ジッタが悪化したのはこの時期のみで他の月は落ち着いていました。
逆に言えば『回線品質の多少の変動ではジッタはブレないが、大きな品質低下があればジッタにも反映される』という事なのかもしれません。2024年のジッタも測定の指標として活躍してくれそうです。
2024年は一年通して安定することを祈るよ~
パケットロス
パケットロスとは
パケットロスはそのままですがパケットがロストしているかどうかの指標です。通信の仕組み上、一定時間内に宛先に到達できなかったパケットは必ず破棄されます(いつまでも残ると他の正常な通信の妨げになるため)。到達できない理由は
- 宛先が見つからず転送不能になる
- 無限ループしてしまう
- 通信機器の処理能力を超えてしまう
等様々です。
回線品質が劣悪で頻繁にパケットロスが発生すると、何度も再送が発生し通信速度の低下を招きます(最悪は通信できません)。パケットロスは基本的に0%であるべきです。多くても1%を超えるようであれば何かしら起きていると考えた方が良いでしょう。
測定結果
項目 | パケットロス[%] |
---|---|
最大値 | 27.83 |
最小値 | 0.00 |
平均値 | 0.25 |
中央値 | 0.00 |
年間通しての中央値は0.00%でした。
※パケットロスの中央値は厳密には0ではないですが、表示桁数の都合上0になっています。
パケロスは前述の通り0であるべき指標です。ですが一時的に発生するケースもあります。グラフ上は8月前後のパケロスが激しいですが、体感上の回線品質は6月が最も悪かったです。もちろんユーザが使っていない時間帯含めた総合的な結果は上記グラフの通りなのでこれも事実ではあります。
通信の仕組み上、速度やレイテンシが変わることはありますが、パケロスの発生は異常です。パケロスは許容範囲を超え通信できなかった事を意味しています。“通信が遅い”と“通信できない”は意味合いが全く異なるもので、『パケロス0』を目指してNUROには頑張って欲しいところです。
「時間帯によって遅い」とかなら理解できるけど、
「通信できない」はちょっとね。。
総合評価
まとめると2023年の回線品質は下記の通り良好でした。
- ダウンロード速度:376Mbps(100Mbps以上※オンラインゲーム)
- アップロード速度:706Mbps(10Mbps以上)
- レイテンシ:3.81ms(50ms以下)
- ジッタ:0.14ms(5ms以下)
- パケットロス:0.00%(0%)
※全て中央値
※()内は目安の値
一方、上記はあくまでもある1回線の結果です。条件が異なれば結果も変わります。具体的には下記の条件次第で実際の体感速度は大きく異なります。
- エリア
- プラン(通常プラン or マンションプラン)
- 周辺世帯の利用状況
- 接続方式(有線or無線)
- 端末スペック
- アクセス先
本来は大量のサンプルを取得し統計的に回線品質を評価すべきであり、その中の一例でしかないことも認識しておきましょう。
NURO光は超高速の光回線
NURO光は他社ではほとんど採用されていないG-PONという仕組みを使った高速回線です。そのため、一般的な光回線は大抵1Gbpsなのに対し、NURO光は2倍の2Gbpsの速度を誇ります。
追加料金は不要で、いわゆる『普通のプラン』で2Gbpsであり速度的にも料金的にも大きなアドバンテージがあります。
また、通常の2Gbpsプランに+500円するだけで10Gbpsプランに変更可能です。一般ユーザーにとってもヘビーユーザーにとっても魅力的な光回線であり、
- 高画質な動画視聴
- オンラインゲーム
- 在宅勤務(大容量ファイルの送受信)
等々あらゆるシーンで快適な通信速度を提供します。
新規契約を検討中の人も今の回線に不満がある人もNURO光は候補の1つになる回線です。もちろん良い面も悪い面もあり十分理解した上で検討しましょう。詳しくは下記の記事をチェックです。