NURO光の回線速度や品質って実際どうなんだろう?
我が家で測定してみたよ。
回線速度を測定するサイトは「回線速度」、「speedtest」等のキーワードで検索すればたくさん出てきます。どれも無料・手軽に回線速度の測定が可能です。
上記のような画面はSNS上でも頻繁に拡散されています。良い結果であれば『爆速』、悪い結果であればゴミ回線扱いされることもあります。しかしこの測定結果はある問題を抱えています。それは『ある一瞬の測定結果に過ぎない』という点です。
例えば、
- 普段は100Mbpsも出てない
- →偶然700Mbps出た瞬間の画像で爆速回線扱いする
- 普段は安定して500Mbps以上出ている
- →偶然パケロスが発生した時の画像で悪評を広める
といったこともやろうと思えば可能です。
もちろん全員が悪意を持って拡散している訳ではなく、ある程度実態に即した情報もあります。しかし契約を検討中の方が本当に知りたいのは『長期的に安定しているか』という点です。
そこで我が家のNURO光回線を使って長期的に回線品質を測定しました。あくまで1世帯分の測定結果ですがNURO光検討の参考になれば幸いです。この記事では2023年7月の測定結果を紹介します。
測定条件
測定条件は下記の通りです。
- 測定マシン
- デバイス:NucBox7S
- OS:Windows11
- 接続方法:有線LAN(ONUに直接接続)
- 測定方法
- 測定ツール:SPEEDTEST CLI
- 測定頻度:1時間に1回(毎時00分)
- 測定場所
- 東京23区内(マンションプラン)
- 測定項目
- ダウンロード速度
- アップロード速度
- レイテンシ
- ジッタ
- パケットロス
ダウンロード速度
ダウンロード速度とは
ダウンロード速度はインターネット→自宅方向の通信速度です。例えばYahooの閲覧やYouTubeの視聴など基本的にインターネットの利用はダウンロードが多いです。故に回線の最重要評価指標になります。
NURO光のダウンロード速度は最大2Gbpsですが、我が家のONUの有線LANポートは1Gbpsであるため測定結果も最大1Gbpsとなります。
一般的にダウンロードの通信速度は利用用途に応じて下記速度が必要と言われています。ヘビーな用途でなければ数十Mbpsで十分というケースがほとんどです。
サービス | 必要な速度 |
---|---|
SNSメッセージ | ~1Mbps |
WEBサイト閲覧 | ~10Mbps |
オンラインゲーム | 30Mbps〜100Mbps |
YouTube(4K) | 20Mbps |
YouTube(1080p) | 5Mbps |
YouTube(720p) | 2.5Mbps |
YouTube(480p) | 1.1Mbps |
測定結果
項目 | ダウンロード速度[Mbps] |
---|---|
最大値 | 912 |
最小値 | 36 |
平均値 | 221 |
中央値 | 171 |
測定結果を見ると中央値が171Mbpsとなりました。
いわゆる“普通の使い方”であれば快適な速度と言えます。実際、在宅勤務、Youtube/Amazon Prime Video等の動画サービスを日常的に利用していますが、速度が遅いと感じたことはありません。
一方、最も結果が悪い部分を切り取ると36Mbpsと、100Mbpsを下回るタイミングもありました。重いオンラインゲームの場合、やや物足りないかもしれません。
全774回の測定タイミングの内、100Mbpsを下回るタイミングは164回ありました。6月は過去最悪の回線品質でしたが、それと比肩する水準です。光回線の仕組み上、『ある月は不安定・別の月は安定』なんてことは普通にあり、それを体現していると言えます。
これもベストエフォート(速度を保証している訳ではない)ってやつね
アップロード速度
アップロード速度とは
アップロード速度は自宅→インターネット方向の通信速度です。一昔前は『インターネット=ダウンロード方向の利用』でしたが、最近はYouTube等への動画投稿、在宅勤務の増加等に伴いアップロード通信の需要も高まっています。
アップロード速度は一般的に10Mbps以上が望ましいと言われています。メールの送信・SNSへの写真投稿等の一般的な用途であれば数Mbpsレベルでもストレスなく利用可能です。
測定結果
項目 | アップロード速度[Mbps] |
---|---|
最大値 | 815 |
最小値 | 0 |
平均値 | 456 |
中央値 | 485 |
測定結果を見ると中央値が485Mbpsとなりました。ダウンロードは171Mbpsだったので300Mbps以上高速です。回線のカタログスペックとしてはダウンロードの方が速いですが実際に流れている通信量も多く、アップロード方向の方が回線に余裕があるのかもしれません(アップロード速度の方が安定しているのは毎月お決まりの傾向ですね)。
また、一番悪い時の結果は0Mbps(ダウンロードの最小は36Mbps)でした。これは実際に0と言うよりツールがうまく測定できなかったのだと思われます(その次の最小値は16Mbps)。 因みに、全774回の測定タイミングに対し100Mbpsを切ったの78回ありました。ダウンロード速度同様6月と同等の水準になります。
アップロードの方が通信量は少ないから、ダウンロード速度よりも安定はしやすいね。
レイテンシ
レイテンシとは
レイテンシとは何かしらの要求から応答が返ってくるまでの時間のことです。例えば
- Yahooのページのクリックから応答までの時間
- オンラインゲーム上のアクションが反映されるまでの時間
等が該当します。
- 通信速度=1秒間に送受信できるデータ量
- レイテンシ=応答までの時間
であり全くの別ものです。特にオンラインアクションゲームのようなリアルタイム性が重視される用途ではレイテンシは重要な指標です。
レイテンシの値は小さい程良いですが、一般的には50ms未満が基準とされています(オンラインゲームでは10ms未満が理想という意見もある)。少なくても数百msレベルであればかなり遅く、用途によってはストレスを感じます。
測定結果
項目 | レイテンシ[ms] |
---|---|
最大値 | 48.04 |
最小値 | 2.88 |
平均値 | 5.95 |
中央値 | 4.01 |
測定結果の中央値は4.01msでした。概ね4ms程度で応答が返ってくる結果であり良好です。
一方グラフを見ても分かる通り、40ms以上の遅延を検出しているタイミングもちらほらあります。前述の通り50msはストレスを感じ始める境界なので要注意な状況です。
利用上の感覚としても遅延(例えば動画ストリーミングで再生ボタンを押してから開始するまでのタイムラグ)を感じることは殆ありませんでした。レイテンシが大きくなると遅延も感じやすくなるので今後要チェックです。
因みに、6月はかなり品質が悪かったので100ms超えのタイミングもありました。それと比べれば7月は全然良い方です。6月のような状況が継続するなら回線品質自体の問題ですが、一時的な悪化ならベストエフォートの範疇と言えるでしょう。
クリックしてからすぐ反応ないとイライラしちゃうからレイテンシも大切ね!
ジッタ
ジッタとは
ジッタとはレイテンシのゆらぎのことです。
ジッタが大きい=レイテンシが大きかったり小さかったりブレる=不安定と言う意味です。
本来、データは一定間隔で送られて来て欲しいものです。受信側は一定間隔で来たデータを処理し画像やテキスト、音声等の人間が分かる形に復元しています。しかし、ジッタが大きいと受信側でデータの整合性が取れない等不都合が生じます。
■例
- 送信側:A→B→Cの順番で送信
- ジッタが小さい場合
- 受信側:A→B→Cの順番で受信(正常)
- ジッタが大きい場合
- 受信側:B→A→Cの順番で受信(エラー)
レイテンシ同様、ジッタ値も小さい程良いです。目安としては5ms以下が基準です。理想を言えば1ms以下程で、この水準を維持できれば安定した(変動が少ない)回線と言えます。
測定結果
項目 | ジッタ[ms] |
---|---|
最大値 | 138.18 |
最小値 | 0.02 |
平均値 | 0.63 |
中央値 | 0.20 |
測定結果の中央値は0.20msでした。全体を通して値は良好で、基準である5msを超えたのは3回/774回です。100msを超えるポイントもありましたが単発発生であり全体の品質としては問題なしです。
レイテンシも6月が異常に悪かったため比較になりません。ただ6月の件は抜きにして7月単体で見ても問題なく、今後も同等の水準を維持して欲しいところです。
6月は100msを超えが何回かあったし、ホントに悪かったね。。。
パケットロス
パケットロスとは
パケットロスはそのままですがパケットがロストしているかどうかの指標です。通信の仕組み上、一定時間内に宛先に到達できなかったパケットは必ず破棄されます(いつまでも残ると他の正常な通信の妨げになるため)。到達できない理由は
- 宛先が見つからず転送不能になる
- 無限ループしてしまう
- 通信機器の処理能力を超えてしまう
等様々です。
回線品質が劣悪で頻繁にパケットロスが発生すると、何度も再送が発生し通信速度の低下を招きます(最悪は通信できません)。パケットロスは基本的に0%であるべきです。多くても1%を超えるようであれば何かしら起きていると考えた方が良いでしょう。
測定結果
項目 | パケットロス[%] |
---|---|
最大値 | 27.83 |
最小値 | 0.00 |
平均値 | 1.12 |
中央値 | 0.00 |
測定結果の中央値は0.00%でした。
※厳密には中央値は0ではないですが、表示桁数の都合上0になっています。
パケロスに関しては測定ツールの不調で測定できないタイミングもあり、若干精度が怪しい感もありますが一応測定できたデータで言うと下記の通りです。
- 0~5%:503個
- 5~10%:22個
- 10~20%:20個
- 20%~:4個
大半は5%未満に収まっており、実際に通信影響を感じるような状況ではなかったです。ただし上記の通り本来は0%であるべきものなので問題ないかと言うとそうでもありません。このあたりは今後も注視すべきでしょう。
0%が当たり前ってある意味ハードル高いわね(^_^;)
総合評価
まとめると7月の回線品質は下記の通り良好でした。
- ダウンロード速度:172Mbps(100Mbps以上※オンラインゲーム)
- アップロード速度:485Mbps(10Mbps以上)
- レイテンシ:4.01ms(50ms以下)
- ジッタ:0.22ms(5ms以下)
- パケットロス:0.00%(0%)
※全て中央値
※()内は目安の値
上記の測定は翌月以降も継続していきます。
一方、上記はあくまでもある1回線の結果です。条件が異なれば結果も変わります。具体的には下記の条件次第で実際の体感速度は大きく異なります。
- エリア
- プラン(通常プラン or マンションプラン)
- 周辺世帯の利用状況
- 接続方式(有線or無線)
- 端末スペック
- アクセス先
本来は大量のサンプルを取得し統計的に回線品質を評価すべきであり、その中の一例でしかないことも認識しておきましょう。
NURO光は超高速の光回線
NURO光は他社ではほとんど採用されていないG-PONという仕組みを使った高速回線です。そのため、一般的な光回線は大抵1Gbpsなのに対し、NURO光は2倍の2Gbpsの速度を誇ります。
追加料金は不要で、いわゆる『普通のプラン』で2Gbpsであり速度的にも料金的にも大きなアドバンテージがあります。
また、通常の2Gbpsプランに+500円するだけで10Gbpsプランに変更可能です。一般ユーザーにとってもヘビーユーザーにとっても魅力的な光回線であり、
- 高画質な動画視聴
- オンラインゲーム
- 在宅勤務(大容量ファイルの送受信)
等々あらゆるシーンで快適な通信速度を提供します。
新規契約を検討中の人も今の回線に不満がある人もNURO光は候補の1つになる回線です。もちろん良い面も悪い面もあり十分理解した上で検討しましょう。詳しくは下記の記事をチェックです。