NURO光の回線速度や品質って実際どうなんだろう?
我が家で測定してみたよ。
回線速度を測定するサイトは「回線速度」、「speedtest」等のキーワードで検索すればたくさん出てきます。どれも無料・手軽に回線速度の測定が可能です。
上記のような画面はSNS上でも頻繁に拡散されています。良い結果であれば『爆速』、悪い結果であればゴミ回線扱いされることもあります。しかしこの測定結果はある問題を抱えています。それは『ある一瞬の測定結果に過ぎない』という点です。
例えば、
- 普段は100Mbpsも出てない
- →偶然700Mbps出た瞬間の画像で爆速回線扱いする
- 普段は安定して500Mbps以上出ている
- →偶然パケロスが発生した時の画像で悪評を広める
といったこともやろうと思えば可能です。
もちろん全員が悪意を持って拡散している訳ではなく、ある程度実態に即した情報もあります。しかし契約を検討中の方が本当に知りたいのは『長期的に安定しているか』という点です。
そこで我が家のNURO光回線を使って長期的に回線品質を測定しました。あくまで1世帯分の測定結果ですがNURO光検討の参考になれば幸いです。この記事では2024年の1年分の測定結果を総括します。
測定条件
測定条件は下記の通りです。
- 測定マシン
- デバイス:NucBox7S
- OS:Windows11
- 接続方法:有線LAN(ONUに直接接続)
- 測定方法
- 測定ツール:SPEEDTEST CLI
- 測定頻度:1時間に1回
- 測定場所
- 東京23区内(マンションプラン)
- 測定項目
- ダウンロード速度
- アップロード速度
- レイテンシ
- ジッタ
- パケットロス
ダウンロード速度
ダウンロード速度とは
ダウンロード速度はインターネット→自宅方向の通信速度です。例えばYahooの閲覧やYouTubeの視聴など基本的にインターネットの利用はダウンロードが多いです。故に回線の最重要評価指標になります。
NURO光のダウンロード速度は最大2Gbpsですが、我が家のONUの有線LANポートは1Gbpsであるため測定結果も最大1Gbpsとなります。
一般的にダウンロードの通信速度は利用用途に応じて下記速度が必要と言われています。ヘビーな用途でなければ数十Mbpsで十分というケースがほとんどです。
サービス | 必要な速度 |
---|---|
SNSメッセージ | ~1Mbps |
WEBサイト閲覧 | ~10Mbps |
オンラインゲーム | 30Mbps〜100Mbps |
YouTube(4K) | 20Mbps |
YouTube(1080p) | 5Mbps |
YouTube(720p) | 2.5Mbps |
YouTube(480p) | 1.1Mbps |
測定結果
項目 | ダウンロード速度[Mbps] |
---|---|
最大値 | 907 |
最小値 | 44 |
平均値 | 650 |
中央値 | 875 |
具体的な話をする前に今年全般で見ると下記は影響が大きいです。
- 4月から測定で利用するインターネット上の宛先サーバを変更
- 10月頃から回線の不調が発生
1.について、元々測定結果が不安定であり実態と測定結果が乖離している感がありました。そこで速度やパケロスの測定で使っているインターネット上のサーバを変更したところ測定結果も安定したので以降はそちらを採用しています。
グラフを見ると3月まではかなり数値が乱高下しているように見えますが、4月以降は落ち着いています。これくらい違いがあるので宛先も非常に重要になります。
2.について、NUROに問い合わせをしていますが中々直らず事象継続中です。グラフでも顕著に出ています。回線の品質云々というよりは個別の障害事案なので切り分け&復旧するしかありません。事象が発生するとインターネットが全断します。
さて、ダウンロード速度の結果ですが基本的に自宅で計測すると正常であれば「900Mbps」程度です。測定PCとONUのポートは1Gbpsですが転送速度か何かの制限があるのでしょう。逆に900Mbpsを大きく下回った時、何かしらの不調があると分かります。それはタイミング的に回線が混んでいた、宅内設備の不調、アクセス先サーバの不調、等々様々な原因があります。速度自体と安定性を軸に結果を見ていきます。
- 1-3月
乱高下しているように見えますが、前述の通り測定先サーバの問題もあり実際はもう少しマシなはずです。実際の使用感としても大きな問題はなかった期間です。 - 4-9月
比較的安定していた期間です。もちろんベストエフォートなので途中で速度低下することもありますが大きな問題もなく、一番快適に使えていた時期です。大容量ファイルをダウンロードしてもスイスイです。 - 10-12月
ここから雲行きが怪しくなります。前述の回線障害が発生し始めました。家中のデバイスのインターネット接続が一斉に切断されるため大騒ぎです。諸々切り分けやケーブルの交換等やってみましたが結果2024年中には解決せずです。ひとまず繋がっている間は問題なく使えますが、一度事象が発生すると完全にお手上げです。、また、感覚的には分かりませんでしたがダウンロード速度自体も100Mbps弱程度まで落ち込んでいました。それでも通常の使い方であれば問題ないレベルですが正常時900Mbpsと比較すれば1/9ですから劣化自体は明白な結果となりました。
1年通して見るとグラフも忙しいね(;’∀’)
来年は安定するのかな?
アップロード速度
アップロード速度とは
アップロード速度は自宅→インターネット方向の通信速度です。一昔前は『インターネット=ダウンロード方向の利用』でしたが、最近はYouTube等への動画投稿、在宅勤務の増加等に伴いアップロード通信の需要も高まっています。
アップロード速度は一般的に10Mbps以上が望ましいと言われています。メールの送信・SNSへの写真投稿等の一般的な用途であれば数Mbpsレベルでもストレスなく利用可能です。
測定結果
項目 | アップロード速度[Mbps] |
---|---|
最大値 | 830 |
最小値 | 8 |
平均値 | 696 |
中央値 | 804 |
見るポイントや傾向はダウンロード速度と同じです。一点、ダウンロード速度は正常時900Mbpsでしたがアップロード速度は800Mbpsです。これは測定PCによって違うのでPCの差異から来るものかと思います(スペック的にはMAX1Gbps)。
- 1-3月
乱高下しているように見えるますが実際は安定しています。 - 4-9月
こちらも安定していました。ダウンロード速度よりも数値的なブレ幅は少なめです。 - 10-12月
回線不具合の影響を受け始めます。影響を受けるとダウンロード速度と同様アップロード速度も100Mbps弱まで落ち込みました。アップロードで100Mbpsあれば十分過ぎる速度ですがやはり正常時との差異が大きいのは確かです。
アップロードは元々ダウンロードよりも安定しているわね。トラフィック量も少ないだろうし影響を受けにくいみたいね。
レイテンシ
レイテンシとは
レイテンシとは何かしらの要求から応答が返ってくるまでの時間のことです。例えば
- Yahooのページのクリックから応答までの時間
- オンラインゲーム上のアクションが反映されるまでの時間
等が該当します。
- 通信速度=1秒間に送受信できるデータ量
- レイテンシ=応答までの時間
であり全くの別ものです。特にオンラインアクションゲームのようなリアルタイム性が重視される用途ではレイテンシは重要な指標です。
レイテンシの値は小さい程良いですが、一般的には50ms未満が基準とされています(オンラインゲームでは10ms未満が理想という意見もある)。少なくても数百msレベルであればかなり遅く、用途によってはストレスを感じます。
測定結果
項目 | レイテンシ[ms] |
---|---|
最大値 | 209.40 |
最小値 | 2.48 |
平均値 | 5.29 |
中央値 | 4.04 |
レイテンシは正常であれば中央値4ms前後で安定します。50msという基準値を設けてはいますが、例えば定常的に20msを超えているとかであれば何かしら異変が起きているだろうと推察はできます。また、基本的に突発で出た大きな値は無視で大丈夫です。タイミング次第で悪い結果が出ることはあります。あくまで突発か継続性があるのかを見極めることが重要です。
- 1-3月
一応使用感としては問題ない期間ではありましたが、測定結果としては割と高い数値が出ています。前述の測定サーバの影響だとは思いますがそれにしてもやや頻度高いのでなんとも言えない所です。 - 4-9月
安定期です。6月に突発で高い数値が出てますがその後は出てないので無視で大丈夫な類です。 - 10-12月
回線不具合の影響を受け始めます。突発で高い数値もそうですが、グラフをよく見ると10月からベース値が少し上昇上していることが分かります。例えば7月のレイテンシ中央値は3.90msでしたが10月は6.50msと確かに上昇しています。このように各月の結果を並べると「ベースの変化」が明確になり回線品質が一段下がったことがより明白になります。
突発の事象も見るけど、長期で比較することも重要なんだね
ジッタ
ジッタとは
ジッタとはレイテンシのゆらぎのことです。
ジッタが大きい=レイテンシが大きかったり小さかったりブレる=不安定と言う意味です。
本来、データは一定間隔で送られて来て欲しいものです。受信側は一定間隔で来たデータを処理し画像やテキスト、音声等の人間が分かる形に復元しています。しかし、ジッタが大きいと受信側でデータの整合性が取れない等不都合が生じます。
■例
- 送信側:A→B→Cの順番で送信
- ジッタが小さい場合
- 受信側:A→B→Cの順番で受信(正常)
- ジッタが大きい場合
- 受信側:B→A→Cの順番で受信(エラー)
レイテンシ同様、ジッタ値も小さい程良いです。目安としては5ms以下が基準です。理想を言えば1ms以下程で、この水準を維持できれば安定した(変動が少ない)回線と言えます。
測定結果
項目 | ジッタ[ms] |
---|---|
最大値 | 240.76 |
最小値 | 0.01 |
平均値 | 0.43 |
中央値 | 0.14 |
ジッタに関してはこの回線の場合あまり品質の影響を受けにくいようで、(回線品質が良くても悪くても)中央値ベースで0.1~0.2ms程度です。一方、統計を取ると上記の通りですが、グラフで見るとやはり突発で跳ねるタイミングがいくつかあります。この回数は品質を見る上でも批評の一つにはなりそうです。
- 1-3月
レイテンシと同様で、測定結果としては割と高い数値が複数回出ています。前述の測定サーバの影響はあるにせよ多少不安定なタイミングもあったのかもしれません。 - 4-9月
安定期です。特記事項も特にありません。 - 10-12月
回線不具合の影響を受け始めます。突発で高い数値も出しています。またグラフをよく見ると10月から0ms付近での凸凹が9月以前よりも少し高いです。統計情報で見てしまうとあまり違いは分かりませんがこうしてグラフで見ると品質の遷移が分かりやすくなるのはレイテンシと同じです。
基本的にレイテンシとジッタは傾向が似てるわね。
パケットロス
パケットロスとは
パケットロスはそのままですがパケットがロストしているかどうかの指標です。通信の仕組み上、一定時間内に宛先に到達できなかったパケットは必ず破棄されます(いつまでも残ると他の正常な通信の妨げになるため)。到達できない理由は
- 宛先が見つからず転送不能になる
- 無限ループしてしまう
- 通信機器の処理能力を超えてしまう
等様々です。
回線品質が劣悪で頻繁にパケットロスが発生すると、何度も再送が発生し通信速度の低下を招きます(最悪は通信できません)。パケットロスは基本的に0%であるべきです。多くても1%を超えるようであれば何かしら起きていると考えた方が良いでしょう。
測定結果
項目 | パケットロス[%] |
---|---|
最大値 | 9.36 |
最小値 | 0.00 |
平均値 | 0.05 |
中央値 | 0.00 |
パケロスは上記の通り基本的に0%であるべきで正常時はもちろん0%です。ただ、パケロスが発生している場合でも統計や四捨五入の関係で発生頻度が少ないと見た目上は0.00%に吸収されてしまうこともあります。また、あくまで測定できたデータ個数内での統計なので、そもそも回線不通で測定不可の場合はカウントされないのでその前提でデータはご確認ください(回線不通=パケロス100%になる訳ではない)。
- 1-3月
実用レベルで何か感じることはありませんでしたが多少のパケロスは発生していた模様です。 - 4-9月
安定期です。特記事項も特にありません。 - 10-12月
回線不具合の影響を受け始めます。小さいですがパケロスの山が頻繁に発生しています。また小さすぎてグラフには表現されてませんが回線不具合につき測定不可のタイミングも実際にはあります。大枠の傾向としてはレイテンシやジッタと同様ですが、やはり回線品質の劣化が見られます。
改めて思うけど24時間インターネットが使えるって偉大だね!
総合評価
まとめると2024年の回線品質は山あり谷ありでした。
- 9ヶ月程度は殆ど問題なく利用可能
- 3ヶ月は問題があるが回線自体の品質云々ではなく個別障害事案と思われる
- 「障害=回線全断」なのでかなりクリティカル
ただ、障害がなければ総じて品質自体は良く快適に利用可能です。やはりインターネット回線は「一時的に爆速」では意味がなく、「長期的に安定」が重要だと改めて感じた一年になりました。
- ダウンロード速度:875Mbps(100Mbps以上※オンラインゲーム)
- アップロード速度:804Mbps(10Mbps以上)
- レイテンシ:4.04ms(50ms以下)
- ジッタ:0.14ms(5ms以下)
- パケットロス:0.00%(0%)
※全て中央値
※()内は目安の値
上記の測定は翌月以降も継続していきます。
一方、上記はあくまでもある1回線の結果です。条件が異なれば結果も変わります。具体的には下記の条件次第で実際の体感速度は大きく異なります。
- エリア
- プラン(通常プラン or マンションプラン)
- 周辺世帯の利用状況
- 接続方式(有線or無線)
- 端末スペック
- アクセス先
本来は大量のサンプルを取得し統計的に回線品質を評価すべきであり、その中の一例でしかないことも認識しておきましょう。
NURO光は超高速の光回線
NURO光は他社ではほとんど採用されていないG-PONという仕組みを使った高速回線です。そのため、一般的な光回線は大抵1Gbpsなのに対し、NURO光は2倍の2Gbpsの速度を誇ります。
追加料金は不要で、いわゆる『普通のプラン』で2Gbpsであり速度的にも料金的にも大きなアドバンテージがあります。
また、通常の2Gbpsプランに+500円するだけで10Gbpsプランに変更可能です。一般ユーザーにとってもヘビーユーザーにとっても魅力的な光回線であり、
- 高画質な動画視聴
- オンラインゲーム
- 在宅勤務(大容量ファイルの送受信)
等々あらゆるシーンで快適な通信速度を提供します。
新規契約を検討中の人も今の回線に不満がある人もNURO光は候補の1つになる回線です。もちろん良い面も悪い面もあり十分理解した上で検討しましょう。詳しくは下記の記事をチェックです。